18/08/2026
【現在の動物園】
かつての園館(動物園・水族館)は、観光振興や水産業の振興であり、子どもの遊び場という傾向が強かったです。
しかし、今はアニマルウェルフェア(動物福祉)が当たり前となりました。野生動物を本来の生息地から離し、人工的な環境で飼育することに厳しいまなざしが注がれているのです。
今の園館(動物園・水族館)は、研究・教育の拠点となるべきです。私は新しく提唱された動物園学を学びつつ、美保関(松江)らしい園館文化をおこすことを考えています。
▼Bloomberg 2026年7月31日 片沼麻里加 日本は動物園大国を維持できるのか、人気の陰で進む財政難-広がる世界との差
https://www.bloomberg.com/jp/news/features/2026-07-31/TJ11FJRKV2UR00?accessToken=eyJhbGciOiJIUzI1NiIsInR5cCI6IkpXVCJ9.eyJzb3VyY2UiOiJTdWJzY3JpYmVyR2lmdGVkQXJ0aWNsZSIsImlhdCI6MTc4Njg2NDk0NCwiZXhwIjoxNzg3NDY5NzQ0LCJhcnRpY2xlSWQiOiJUSjExRkpSS1YyVVIwMCIsImJjb25uZWN0SWQiOiJCODAwQURCMEQ2RjI0Qjg0QjcwRDg2QjQ1NDRGMjZFQSJ9.20EK1Ge7UHL870g4lN0oCsgZPY2Wj9RZdiI80uJAT2Q .tab=0
[追記]
動物学者である川村多實二は、「動物園と水族館」(『自然科學』改造社、大正15/1926年1月創刊号) にて園館は博物館であるべき、「珍奇なる動物の展覧」を厳しく批判しています。
日本は博物館とする動きが遅かったのですが、現在の日本動物園水族館協会(JAZA)は、次の4つの目的を掲げています。
▼(公社)日本動物園水族館協会の4つの役割
https://www.jaza.jp/about-jaza/four-objectives
①種の保存
②教育・環境教育
③調査・研究
④レクリエーション
④レクレーションは、あくまでも生き物に負担がかからないことが前提となります。なぜならば、昨年のお話会でも少しふれましたが、今日の園館は、見世物であることを否定し、「アニマルウェルフェア(動物福祉)」が何より求められているからです。今や野生動物を本来の生息地から離し、人工的に飼育することについて厳しいまなざしが注がれていることを考慮しなければならないでしょう。
▼公益財団法人 日本動物福祉協会 > 動物福祉について
https://www.jaws.or.jp/welfare01/
一方的なふれあいなど生き物の苦痛を与えるような展示をする園館は認められておりません。そうなりますと、今の園館の観光はおまけです。あくまでも生き物の生き生きとした姿を引き出すことが第一となります。旭山動物園の行動展示がよい例となりましょう。
また、園館を動物生態の研究・普及の拠点とする「動物園学」も提唱され、日本でも定着しつつあります。
▼村田浩一/成島悦雄/原久美子 編
『動物園学入門』朝倉書店、2014年
https://www.asakura.co.jp/detail.php?book_code=46034...
▼動物園学会
https://zoostudy.jp/
昨年の2025年お話会でも簡単にふれましたが、今日の園館の役割は、次のように提唱されてるところです。
①動物園(水族館)は、science(総合知)と環境の「扉」である
②動物園(水族館)は、「ノアの箱舟」(調べる活動する)である
③動物園(水族館)は、「動物福祉」(生き物の健康)を最も大切にする
私は美保関らしい園館文化をおこすこともめざしています。ただし、その方法は実際に生き物を展示することだけではない、とも考えています。
例えば、境港市にある海とくらしの史料館の例があげられます。ここは様々な生き物のはく製や漁具などを展示しています。
▼海とくらしの史料館公式サイト
http://umikura.com/
私は、美保関らしい「自然の扉」をつくることをめざしているのです。海の観察会(生簀もありかも)や、ゴミ拾い、ビデオかデジタル画像の映写、水中カメラのライブ配信、ジオの施設でもよいかもしれません。お話会を重ねつつ、皆さまと記録を作り、これまで培われた歴史・文化から新しいまちづくりの材料となるよう未来へ伝えていくこと。
また、美保関の自然・生き物という新たな魅力を内外にむけて発信する、と言い換えてもよいかもしれません。今のところの私のたたき台はこんなところです。
世界の動物園が保全機関へと転換を図る中、全国91の動物園を抱える日本に、新たな役割が問われている。