27/07/2026
「60歳になって振り返る、昭和と令和のペットとの暮らし~私が子供のころの風景。当時は犬を外で飼うのが当たり前でした。」
還暦を迎え、最近はNHKの朝ドラを見るのが楽しみになりました。明治や昭和を舞台にした作品を見ると、今では考えられないほど不便な暮らしが描かれています。
そういえば、犬や猫との暮らしもずいぶん変わりました。私が子どもの頃、犬は外で飼うのが当たり前でした。冬の北海道でも犬小屋で暮らし、食事は家族の残りご飯。避妊手術も一般的ではなく、ある日突然、犬小屋の中に子犬たちがいて驚いたこともありました。
猫も自由に外を歩き回り、近所にはたくさんの野良猫がいました。今のように「完全室内飼育」という言葉はほとんど聞かれませんでした。
私が動物病院を開業した約30年前も、まだその名残がありました。診療の多くは交通事故やケンカによる外傷、寄生虫や感染症による下痢や嘔吐でした。健康診断のために来院する犬は多くなく、猫は「よほど具合が悪くならなければ病院に連れて行かない」という時代だったように思います。
ところが今はどうでしょう。犬や猫は家族の一員として室内で暮らし、健康診断や予防医療を受け、高齢になれば高度医療の恩恵も受けられるようになりました。獣医師として30年以上診療を続けてきましたが、病気そのもの以上に、人と動物との関係がここまで変わったことに驚かされます。
昭和の犬は庭で番犬として暮らし、令和の犬はリビングで家族と一緒に暮らしています。暮らし方は大きく変わりました。しかし、動物たちが私たちに与えてくれる癒やしや喜びは、昔も今も変わりません。
還暦を迎えた今、そんな変わらない存在がそばにいてくれることを、改めて幸せに感じています。